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大分地方裁判所 昭和50年(わ)90号 判決 1976年11月29日

一、本店所在地

大分県日田市大字友田三七二五番地

会社の商号

株式会社 川浪組

代表者

代表取締役 川浪孝男

斎藤久任

一、本店所在地

同県同市大字一二町七九二番地の一

(主たる営業所の所在地 同県同市大字友田三七二五番地)

会社の商号

有限会社 光岡礦業

代表者

取締役 梅村芳男

一、本籍

同県同市大字大肥一六二一番地の一

住居

同県同市中城町二番三九号

職業

株式会社川浪組代表取締役および

有限会社光岡礦業総務責任者

斎藤久任

大正八年四月二四日生

右被告会社両社および被告人に対する法人税法違反各被告事件について、当裁判所は、検察官大里敢出席のうえ審理して、つぎのとおり判決する。

主文

被告会社株式会社川浪組を罰金三〇〇万円に、被告会社有限会社光岡礦業を罰金二五〇万円に、被告人斎藤久任を懲役八月に各処する。

この裁判の確定した日から被告人斎藤久任に対し二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社株式会社川浪組は、大分県日田市大字友田三七二五番地に本店および主たる営業所を設け土木建築の設計施行および土木建築事業の請負業務等を営む株式会社であり、被告会社有限会社光岡礦業は同市大字一二町七九二番地に本店を、同市大字友田三七二九番地に主たる営業所を設け砂および砂利等の採取製造販売等を営む有限会社であり、被告人斉藤久任は株式会社川浪組についてはその代表取締役として、有限会社光岡礦業についてはその従業員で総務責任者として右両会社の経理事務全般を統轄しているものであるが、被告人斎藤は右両被告会社の業務に関しそれぞれその法人税を免れる目的をもつて、売上の一部を除外したり架空仕入を計上する等の不正な方法により

第一、被告会社株式会社川浪組につき

(一)  昭和四六年一一月一日から同四七年一〇月三一日までの事業年度において、同会社の実際の所得金額は一、〇七〇万四、〇六六円で、これに対する法人税額は三五〇万七、四〇〇円であるのにかかわらず、右所得金額中七九三万二、六一二円を秘匿して、同年一二月三〇日所轄の日田税務署において、同税務署長に対し、右事業年度分の所得金額は二七七万一、四五四円で、これに対する法人税額は六一万二、〇〇〇円である旨所得金額等を過少に虚偽記載した法人税確定申告書を提出し、もつて、不正行為により同会社の右事業年度の法人税額二八九万五、四〇〇円を免れ

(二)  昭和四七年一一月一日から同四八年一〇月三一日までの事業年度において、同会社の実際の所得金額は二、九三五万四二九九円で、これに対する法人税額は一、〇三二万四、六〇〇円であるのにかかわらず、右所得金額中二、三九三万八、一〇一円を秘匿して、同四九年一月四日所轄の日田税務署において、同税務署長に対し、右事業年度分の所得金額は五四一万六、一九八円でこれに対する法人税額は一五二万七、四〇〇円である旨の所得金額等を過少に虚偽記載した法人税確定申告書を提出し、もつて、不正行為により同会社の右事業年度の法人税額八七九万七、二〇〇円を免れ

第二、被告会社有限会社光岡礦業につき

(一)  昭和四六年四月一日から同四七年三月三一日までの事業年度において、同会社の実際の所得金額は一、〇〇六万一、六一二円で、これに対する法人税額は三四二万五、一〇〇円であるのにかかわらず、右所得金額中六六〇万八、五〇四円を秘匿して、同年五月三一日所轄の日田税務署において、同税務署長に対し、右事業年度分の所得金額は三四五万三一〇八円で、これに対する法人税額は九九万六、六〇〇円である旨所得金額等を過少に虚偽記載した法人税確定申告書を提出し、もつて、不正行為により同会社の右事業年度の法人税額二四二万八、五〇〇円を免れ

(二)  昭和四七年四月一日から同四八年三月三一日までの事業年度において、同会社の実際の所得金額は二五六二万七、六七七円でこれに対する法人税額は九一二万七、三〇〇円であるのにかかわらず、右所得金額中二一八五万六、六六四円を秘匿して、同年五月三一日所轄の日田税務署において、同税務署長に対し、右事業年度分の所得金額は三七七万一、〇一三円でこれに対する法人税額は一〇九万五、二〇〇円である旨所得金額等を過少に虚偽記載した法人税確定申告書を提出しもつて、不正行為により同会社の右事業年度の法人税額八〇三万二、一〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

一、第二回公判調書中の被告人斎藤久任の供述部分

一、同被告人の検察官に対する供述調書一〇通(それぞれ検第198ないし207号と記載のあるもの。以下、単に検198~207というように記載する。)

一、収税官吏大蔵事務官作成の同被告人に対する質問てん末書二八通164検164~191)

一、同被告人作成の上申書六通(検192~197)

一、次の者の検察官に対する各供述調書

平尾健次(検64)、井上さかゑ(検70)、小野幾人(検71)、谷高年(検72)、田中ツヤ子(検73)、河津紀美子(検74)、河津勉(検75)、下駄シメカ(検76)、河津武重(検77)、森山玉子(検78)、中野スガノ(検79)、河津千代子(検80)、原静夫(検82)、小川美恵子(検90)、蒲池松生(検97)、杉民義(二通。検98、99)、平野ミツエ(四通。検106~109)、平野光(検113)、古賀信雄(検119)、丹野尚武(検121)、川浪孝男(二通。検160、161)、梅村芳男(検163)

一、次の者に対する収税官吏大蔵事務官作成の各質問てん末書

相良和敏(検46)、東雲一(検47)、梶原隆(検48)、荒川未喜(検49)、藤原和生(検50)、後藤源太郎(検51)、都筑三夫(検52)、柴田陽一(検53)、原静夫(検81)、小川美恵子(二通。検87、89。但し、検87は、旧姓森山当時のもの。)、川原トシ子(三通。検91~93)、蒲池松生(二通。検95、96)、平野ミツエ(四通。検100~103)、平野光(三通。検110~112)、古賀信雄(検118)、丹野尚武(検120)、藤野健治(二通。検123、124)、寺分純一(検125)、川原広一郎(検127)、大友一枝(検129)、川浪孝男(四通。検156~159)

一、次の者作成の各上申書

小川美恵子(検88。但し、旧姓森山当時のもの。)川原トシ子(検94)、毛利絹江(検116)、中山ヨシエ(検117)、渡辺正吾(検122)、梅村芳男(検162)

一、平野ミツエ作成の「砂利等の土場渡し単価について」と題する書面(検104)

一、林五八作成の「確認書」と題する書面(検115)

一、古川伊久夫作成の申立書と題する書面(検126)

一、次の者作成の各証明書

斉藤久任(二通。検25、26)、平野光(検27)、川原トシ子(検28)、古川伊久夫(検29)、松隈勝義(検30)、今古賀宰(五通、検31~35)、尾籠憲一(二通、検36、37)、後藤源太郎(検38)、鑓水啓一(二通。検39、40)、大和右二(検41)、大和銀行久留米支店(二通。検42)、森田芳彦(検43)、伊東康文(検44)、日田土木事務所長黒木武彦(検54)、日田製紙株式会社(検55)、九州地方建設局長大島哲男(検56)、九州地方建設局大分工事事務所長今山健(二通。検57、58)、九州地方建設局筑後川工事事務所長佐藤幸甫(二通。検59、60)、原静夫(検85)、平野ミツエ(二通。検86、105)、川原廣一郎(検128)、収税官吏大蔵事務官小野孝雄(検130)

一、収税官吏大蔵事務官作成の報告書二通(検131、132)および調査書二三通(検133~155)

一、株式会社福岡銀行日田支店支店長栗林淳二作成の「捜査関係事項照会の回答書」と題する書面(検61)

一、押収してある次の証拠物

(1)  仕訳伝票綴帳二〇冊(昭和五一年押第二三号の一ないし二〇)

(2)  仕訳伝票等綴二冊(同号の二一および二二)

(3)  元帳(書替分)一冊(同号の二三)

(4)  決算資料綴帳一冊(同号の二四)

(5)  未成工事支出金請負工事台帳(同号の二五)

(6)  元帳四冊(同号の二六ないし二九)

(7)  決算資料綴帳二冊(同号の三〇および三一)

(8)  工事台帳一冊(同号の三二)

(9)  元帳一冊(同号の三三)

(10)  兼業売上明細帳一冊(同号の三四)

(11)  売掛帳一冊(同号の三五)

(12)  請求書綴帳三冊(同号の三六ないし三八)

(13)  未工事支出金、未工事受入金台帳一冊(同号の三九)

(14)  請求書控綴帳一冊(同号の四〇)

(15)  仮払金帳一冊(同号の四一)

(16)  銀行勘定帳一冊(同号の四二)

(17)  請求書一綴(同号の四三)

(18)  当座小切手帳(控部分のみ)四〇冊(同号の四四)

(19)  小切手帳(控部分のみ)二三冊(同号の四五)

(20)  当座小切手帳(控部分のみ)一冊(同号の四六)

(21)  請求書綴帳一冊(同号の四七)

(22)  元帳二冊(同号の四八および四九)

(23)  売上請求書綴帳一冊(同号の五〇)

(24)  売掛帳一冊(同号の五一)

(25)  未払帳一冊(同号の五二)

(26)  売上集計表綴帳一冊(同号の五三)

(27)  請求書綴帳一冊(同号の五四)

(28)  伝票綴帳五冊(同号の五五および五六)

(29)  領収証綴帳一冊(同号の五七)

(30)  売上請求書綴帳二冊(同号の五八および五九)

(31)  元帳一冊(同号の六〇)

(32)  売掛金帳一冊(同号の六一)

(33)  請求書綴帳二冊(同号の六二および六三)

(34)  売上明細帳一冊(同号の六四)

(35)  工事日報綴帳二冊(同号の六五)

(36)  元帳一冊(同号の六六)

(37)  請求書綴帳一冊(同号の六七)

(38)  工事日報綴帳一冊(同号の六八)

(39)  請求書控綴帳二冊(同号の六九および七〇)

(40)  請求書綴帳一冊(同号の七一)

(41)  工事日報綴帳三冊(同号の七二ないし七四)

(42)  普通預金元帳二枚(同号の七五および七六)

(43)  伝票綴帳一冊(同号の七七)

(44)  賃金台帳一冊(同号の七八)

(45)  賃金台帳控一冊(同号の七九)

(46)  法人税決議書三冊(同号の八〇ないし八二)

(47)  工事関係書類帳九冊(同号の八三ないし九一)

(法令の適用)

被告会社両社の判示各所為は、いずれも法人税法一五九条一項一六四条一項に各該当するが、以上はそれぞれ刑法四五条前段の併合罪なので、同法四八条二項により各罪所定の罰金の合算額の範囲内で被告会社株式会社川浪組を罰金三〇〇万円に、被告会社有限会社光岡礦業を罰金二五〇万円に各処し、

被告人斎藤久任の判示各所為はいずれも法人税法一五九条一項に該当するが、各所定刑中いずれの罪についても懲役刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪なので、同法四七条本文、一〇条により犯情の重い判示第一の(二)の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で同被告人を懲役八月に処し、情状により同法二五条一項を適用してこの裁判の確定した日から二年間右刑の執行を猶予することとする。

よつて、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 永松昭次郎 裁判官 柄多貞介 裁判官 杉森研二)

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